石井 正治教授
大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻
SDGs
連携提案
私どもの研究室では、様々な環境から単離された微生物を用いて、エネルギー代謝や炭素代謝等の、微生物の生育に中心的役割を果たしている代謝生理機能を生化学的、遺伝学的に解明すると共に、そのような機能を利用することにより、資源・エネルギー・環境および食糧問題を根本的に解決することを目指して研究を続けている。
主要な研究テーマは以下の通りである。
1. 独立栄養生物の網羅的代謝解析を基盤とした物質生産指向型研究
2. 微生物の独立栄養性に関する分子基盤的研究
3. 微生物のエネルギー代謝制御と環境適応・病原性に関する研究
4. 微生物における呼吸酵素の多様性と機能解析
研究成果の社会実装・産業応用等に関心のある企業との連携を希望する。
事業化プロポーザル
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微生物機能を利用した、二酸化炭素の有効利用独立栄養微生物は、二酸化炭素ガスから全ての菌体炭素構成成分を生合成できる。二酸化炭素ガス固定のためのエネルギーは、光または無機化学物質(水素、イオウ、鉄など)により供給されているが、ここでは無機化学物質をエネルギー源として生育する化学独立栄養微生物を対象とする。 この研究室では、水素をエネルギー源とする好熱性水素細菌を研究対象として、微生物の独立栄養的代謝に関する知見、知識を多く有している。そこで、独立栄養微生物を利用した二酸化炭素の有効利用、特に物質生産・物質変換を指向している企業と共に研究を進めることを通して、保有する知識等が有機的に活かされ、産業化に繋がることを希望している。
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発酵食品製造に関わる微生物叢の解析と製造改良発酵食品製造過程においては、単一微生物により発酵が行われている例は少なく、多くの場合、複数の微生物が関わり発酵が進行している。しかしながら、後者の場合、発酵過程における微生物叢の変遷が分かっていないことが多く、このことが発酵そのものをブラックボックス化している要因となっており、製造法を改良する際の学問的基礎が供給できない理由ともなっている。私どもの研究室では、「微生物叢解析の基盤技術」をもとに、我が国の食文化の財産ともいえる発酵食品にターゲットを広げ、その製造に関わる微生物叢を明らかにすることを端緒に、製造改良にまで応用的展開を図ることを目的としている。