川口 大司教授
大学院公共政策学連携研究部 公共経済政策講座
SDGs
連携提案
労働経済学ならびに人事経済学を専門とし、従業員個人単位のデータを用いた定量的な分析を行っている。在宅勤務の導入が企業パフォーマンスに与える影響、AIの導入が労働生産性に与える影響、従業員のヘルスマネジメントが労働生産性に与える影響、労働時間や時間管理の方法が従業員の満足度に与える影響の分析を行っている。また、国や自治体のレベルでの労働政策の実施が労働市場に与えるインパクト評価についても研究を行っている。
企業が保有する人事関連の業務データを活用し、労働経済学上の理論仮説を検証し、そこから得られた知見を職場環境の向上ひいては企業経営の向上につなげることができると考えており、民間企業・地方自治体・政府とのコラボレーションを希望している。
事業化プロポーザル
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土地取引情報と計量経済学を用いた不動産価格の推定一軒のマンションが売りに出された。このマンションの適切な価格付けはどのようになされるべきだろうか。多くの場合、価格の推定は近隣の類似物件から類推する形で行われている。しかしながら、近隣で同じような物件が取引されてないケースもあり得る。また、同じ地域の物件であっても、例えば学校の学区が異なるといったような様々な要因が不動産価格を決定することが知られている。 川口研究室では国土交通省の整備する土地総合情報システム上に公開されている不動産価格と計量経済学の知見を活かし、福島第一原子力発電所の事故によって発生した放射能汚染が土地価格にどのような影響を与えたかの推定を行った。推定の結果は放射能汚染が土地価格を引き下げる効果があるもののその効果は時間とともに薄らいでいくことを示すものであった。
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人事データと計量経済学を用いた効果的な人的資源活用策の創出いったいどのような基準で社員を採用すれば入社後に高いパフォーマンスを発揮する社員を採用できるのか?いったいどのような要因が優秀な社員の離職を招いてしまうのか?社員に参加させている研修プログラムは期待される成果を上げているのか? 人事の実務にかかわる多くの方の疑問に対する答えは、貴社の人事データの中にあるかもしれない。多くの会社が電子的な形で保有している人事データは特定の従業員の過去の評価、待遇、勤怠情報などを時系列情報として記録しているため、過去の情報から未来を予測するために有用である。 しかしながら、特定の疑問に十分にこたえようとすると、データでは観察されない各従業員の特性を処理したり、データがどのように収集されたかを考慮した処理を行ったりと、社会科学に特有のデータの特徴に意識を払った処理が必要になる。自然科学の実験データのようなきれいなデータを処理するのとは異なる複雑さがある。 川口研究室では労働経済学と計量経済学の知見を活かし、人事データを用いた企業内の人的資源活用に関して分析を行っている。
関連情報
連携への希望
経営課題・技術課題等について幅広に議論しながら連携の方向性を検討したい。