阿部 誠教授
大学院経済学研究科 マネジメント専攻
SDGs
連携提案
様々なマーケティングの現象を個人レベルのモデルによって分析し,実務に有用なインプリケーションを研究すること。売上やマーケット・シェア等のマクロ的な数値は,個々の消費者の購買行動というミクロ的な現象の集計である。よって,マクロ的統計の分析は描写には有効であるが,本質的な原因と結果を探るにはその根底にある消費者行動のメカニズムから探り出す必要がある。近年の情報技術の発達により,そのような研究の実証に必要な大量の個人レベルの消費者行動データがPOSあるいはインターネットなどから収集されるようになった。実務の世界ではデータは大量にあるのだが,どのように利用すればよいかを模索している段階であり,個人レベルデータの研究の重要性,必要性が非常に高まっている。現在は,そのようなデータを使った個人レベルの購買行動モデル,顧客レベルのパラメータ推定を可能にするベイズ統計手法,そしてその結果を現実の戦略と結びつけるためのマルチエージェント・シミュレーション手法などを中心に研究を進めている。これらの手法から,顧客を単なるブラック・ボックスとしてではなく,個々人の行動自体をより深く理解することによって,CRM(顧客関係管理)やワン・トゥー・ワン・マーケティングのような顧客レベルのマーケティング活動に応用することを目的としている。
これらの知見を活かし、自社内データの活用・分析を希望する企業・団体等との連携が可能である。
事業化プロポーザル
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ICT時代にふさわしい効率的広告配信システムの構築についてインターネットや地上・衛星デジタルテレビなどのメディアでは、所望の広告内容を広告主の希望にあった対象毎に絞ってきめ細かくかつ市場原理に基づいて配信を行うことが可能になる(たとえば車種Aの広告は若い女性向け、車種Bのそれは熟年層向けなど)。
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ワン・ツー・ワン・マーケティングに関する新分野開拓への誘いについてIT技術の発達により、たとえば大量の個人レベルの消費者行動データを収集することが可能になり、マーケティングの世界にも新しい学術分野(CRM, マイクロ・マーケティング)が構築されている。この研究室ではこのようなパーソナルなレベルに及ぶ大量のデータを効率的に解析しかつ有効に生かす手法について幅広く研究を進めている。