加藤 泰浩教授
大学院工学系研究科 システム創成学専攻
SDGs
連携提案
本研究室は、地球科学・資源地質学を専門とし、レアメタル・レアアース資源や有用金属資源の成因の解明、グローバル環境変動の解明、地球温暖化メカニズムの解明と対策などの研究を行っている。
研究で得られた知見を活用して、資源開発、地球温暖化防止対策等に関心を持つ企業との連携を希望する。
事業化プロポーザル
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東京大学「レアアース泥開発推進コンソーシアム」への参画東京大学では、当研究室を中心に企業・学内外の研究者と共に「レアアース泥開発推進コンソーシアム」を設立した。本コンソーシアムは産学官公のメンバーが連携し深海底に分布するレアアース泥を採泥・揚泥する技術を確立することで、レアアース資源の安定供給を実現するとともに、レアアースの新たな需要開拓を通じて、停滞する日本の産業を活性化させることを目的としている。 コンソーシアムの体制は、現在5つの部会とそれを取りまとめる全体会議からなっており、部会は以下のように探査・環境・モニタリングから新素材探索までの各工程をテーマ設置する。このほか、必要に応じて、経済性評価、サプライチェーン、統合管理・情報システムなどを扱う部会の設置も検討していく予定である。 ・部会1:探査・モニタリング 高品位泥が海底面近くから分布する有望エリアの探査技術や、採泥中の海底環境の変化をモニターする技術の確立に向けた検討を行う。 ・部会2:採泥・揚泥 深海で効率的に集鉱・採鉱する技術や、水深5,000m以上の大水深に対応した揚泥技術の確立に向けた検討を行う。 ・部会3:選鉱・製錬 既存技術を用いた製錬手法の実証や、より低コスト・高効率な抽出手法の確立に向けた検討を行う。 ・部会4:泥処理 残泥処理を低コストで実現する技術や、残泥の再資源化技術の確立に向けた検討を行う。 ・部会5:新素材 レアアースを用いた新材料・新機能の探索や新たな応用の検討を行う。 このコンソーシアムで扱う技術の応用、またレアアース資源の活用に関して興味を持つ企業の参画を期待する。
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中央海嶺の熱水循環系を活用した長期安定・高効率な二酸化炭素固定法の研究・開発海底に地球規模で分布する中央海嶺では、大量のCaO(噴出する玄武岩中に高濃度に含有されている)と火山の熱エネルギーが供給されている。そこでは熱水循環系により、海水と玄武岩が活発に反応している。この熱水循環系にCO2を高濃度に含む流体を流入させれば、新たな熱エネルギーを加えることなく、容易に長期間安定で、かつ無害なCaCO3が大量に生成できる。この方法は厳しい排出規制が課されている二酸化炭素の固定法として極めて斬新なものであり、長期安定・無害・高効率・低コスト・大規模な固定方法として実用化が可能である。
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地球表層の岩石分布と化学組成に関するデータ収集と鉱物資源探査への利用地球科学・資源地質学を専門とするこの研究室では、長年にわたり世界各地の地質調査や海洋調査などの野外調査・試料採取・化学分析などの豊かな経験と実績を有しており、地球表層の岩石分布や岩石中に含まれる元素の化学組成に関する多くのデータを蓄積している。これらのデータを更に広範囲に体系的に収集・分析しデータベース化することにより、特定の金属資源の供給源の候補地を効率的に見出すことが可能となり、例えば資源確保が懸念される希土類元素をはじめとするレアメタルの新たな鉱床の探索を効率的に行うことなどが大いに期待される。