北澤 大輔教授
生産技術研究所 附属大規模実験高度解析推進基盤
SDGs
連携提案
海洋の環境や生態系と調和した食料・エネルギー資源利用技術に関する研究を行っている。流体力学をベースとして、浮体式構造物の運動、安全性、および構造物と生態系との相互作用を明らかにするために、水槽実験、数値解析、現地実験を組み合わせた研究を実施している。
近年は、定置網漁業・養殖業の省力化、安全評価などの海洋の食料生産システム、海洋再生可能エネルギーの利用と環境影響評価、水域環境の予測などを研究テーマとしており、これらの研究テーマに関心のある企業・地方自治体等との連携が可能である。
事業化プロポーザル
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波エネルギーの利用技術の開発世界では、温室効果ガス排出量の削減を目指して、再生可能エネルギーの開発が活発化している。海洋においても、洋上風力エネルギーや波エネルギー、潮流・海流エネルギーの利用に関する研究開発が進められている。 この研究室では、効率的に波エネルギーを収穫するシステムの開発を行ってきた。人が乗るキャビンとフロートの相対運動を利用して、波エネルギーを収穫するとともに、キャビンの動揺を抑制して乗り心地を良くする小型船を開発してきた。波エネルギーの収穫とキャビンの動揺抑制の割合を自由に設定することができ、漁船、プレジャーボート、作業船などに応用されることが期待される。
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海洋食料生産システムの開発日本では、水産物需要の減少、漁業者の高齢化などによって、生産規模が縮小しつつある。一方で、世界では、水産物需要は急増しており、特に養殖生産量は急速に伸びている。 この研究室では、省人化、省コスト化によって、効率的な海洋食料生産システムの開発を行ってきた。高波浪対策、水温調節、赤潮対策等に使用できる浮沈式生簀や可変深度型生簀、定置網漁業の自動揚網システムなどの水槽実験技術や運動解析技術を開発してきた。併せて、自動給餌システムや無線映像伝送装置による管理システムなどを開発してきた。これらのシステムをマグロ、ギンザケ、ブリなどの養殖海域に適用し、その効果を実証してきた。
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海洋利用の環境影響評価手法の開発海洋における養殖、再生可能エネルギー利用、海底資源利用などでは、環境と調和した開発が求められる。 この研究室では、海洋構造物や生物の成長特性に関するファクターを組み込んだ流れ場・生態系結合数値モデルの開発や、生物を用いた水槽実験技術の開発を行った。これらの技術によって、良好な環境を維持しつつ、養殖や再生可能エネルギーの生産規模を最適化したシステムを構築することができる。
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湖沼・沿岸域の水質変動予測モデルとその応用地球環境保全や環境修復に対する関心は大きくなっている。沿岸や湖水域における環境変化は生活に密着しているので、影響が大きい。 この研究室では、富栄養化や温暖化に伴って湖沼や沿岸域の水質や底質が悪化する現象の解明に取り組んできた。東京湾、カスピ海、琵琶湖、霞ヶ浦、池田湖、諏訪湖の物質循環に関する流れ場-生態系結合数値モデルを構築し、シミュレーションにより溶存酸素濃度の低下などの様々な現象を解析している。