圧力または温度による有機物質の導電性変化の応用
鹿野田 一司大学院工学系研究科 物理工学専攻
有機物からなる分子性結晶の中には、圧力や温度を変化させることによって電気伝導性が劇的に変化するものがある。10K以下、数百気圧で絶縁相から超伝導相に変化するκ-(BEDT-TTF)2X系や、室温付近、数千気圧で絶縁相から金属相に変化する(R1,R2-DCNQI)2M系がその代表である。これらの分子性結晶は類似元素による側鎖置換等によりその特性を制御することが可能であるが、この研究室では物理的視点からこれら物質群の分子設計に有益な知見を得ることを目的として研究を行っている。