メダカ近縁種の研究モデルとしての利用
井上 広滋大気海洋研究所 海洋生命システム研究系海洋生命科学部門
メダカ(ニホンメダカ、Oryzias latipes)は、飼育が容易で、世代時間が短く、毎日産卵する等、実験動物として優れた性質を持っているため、各種の研究に用いられている。メダカには約20種もの同属近縁種が存在し、主として東南アジアに生息している。これらの近縁種のうち、ジャワメダカ(O. javanicus)や、インドメダカ(O. dancena)は、メダカの持つ実験動物としての利点を備えているうえに、海水への適応能力が高く、海水中で飼育繁殖させることが可能であるため、海水魚のモデルとして有望である。 この研究室では、これらの種の遺伝的多様性、環境適応のメカニズムや、これらの種を用いた環境モニタリングの方法について東南アジア各国の研究者と連携しながら研究を行っているが、それ以外にもメダカ近縁種を用いる研究テーマでの共同研究、あるいは入手方法や飼育管理等に関する支援や指導を行うことが可能である。 また、トランスジェニックメダカ類を用いた水質モニタリングに用いる容器(例えば、トランスジェニック魚を収納して、検査水を連続的に通水し、魚の色や蛍光の変化をモニタリングする容器)の開発に関する共同研究提案も受け付けている。