佐久間 哲哉教授
大学院工学系研究科 建築学専攻
SDGs
連携提案
本研究室では、建築・都市空間の居住環境、特に音環境を中心として、そのあり方、予測・評価手法、設計・制御技術について研究を行っている。音環境に関しては、建築音響、騒音・振動、コミュニケーション、サウンドスケープなどの問題を、物理と心理・生理の基礎的な側面から社会的・文化的な側面までを視野に入れて捉えることにより、真に望ましい音環境づくりを目指している。さらに、居住環境の総合的な評価と居住者の意識と行動の把握を通して、快適性・健康性・安全性・利便性・持続性の観点から、将来の居住環境とライフスタイルのあり方を探っている。
上記研究内容に関連する課題を持つ企業・団体へのコンサルテーションが可能である。
事業化プロポーザル
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室内音響調整のための音響部材設計と音場解析評価室内音環境を物理的に制御するために、吸音・反射・拡散特性を持つ音響部材が用いられる。たとえば、音響設計が非常に重要なコンサートホールなどでは、側壁や後壁に設けた拡散体や天井の反射板などを用いて、音響調整が行われる例が多い。この時、拡散体や吸音材などの音響仕上げ材料の効果的な設計と室内音響特性の解析、計測、評価が重要となる。
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公共空間の音環境形成・サウンドスケープ計画に対するコンサルティング環境音響学を専門とするこの研究室では、騒音レベルなどの物理評価だけでなく、人間の心理・生理に基づいて、音環境の快適性や情報伝達などの機能性さらにはバリアフリーの観点等から評価・解析に関する研究を進め、空間形成への協力の実績も有している。公共施設(駅、空港、学校等の施設)や公共空間(テーマパーク、ショッピングモール、オフィスなど)の目的に合った音風景形成(サウンドスケープ計画)に向けて、音環境体感システムを開発中である。
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建築部材の遮音・吸音性能予測システムの構築及びその展開この研究室では、板・膜・多孔質材・弾性体等の音響振動連成シミュレーション技術を応用した建築部材の遮音・吸音性能予測手法について研究開発を行っている。この手法に関心のある企業などと連携して、実測データに基づく各種建築部材(窓サッシ、積層吸音材等)モデルを導入した実用的遮音・吸音性能予測システムの共同開発、新たな遮音・吸音構造の開発への展開等を行いたい。
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大規模音場数値解析システムを用いた音環境の制御と設計この研究室では、音の波動性を考慮し、かつ高周波数領域までを高精度で解析できるFMBEM(Fast Multipole Boundary Element Method)による大規模音場に対する解析システムを開発した。このシステムを用いることにより、建築音響解析(室内音響シミュレーションなど)、騒音・振動解析(エンジンの解析など)、電気音響解析(音響機器の開発、ダミーヘッドの音響特性評価など)或いは超音波・水中音響解析などが可能である。