渡辺 紀徳教授
大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻
SDGs
連携提案
当研究室では現用のジェットエンジンや将来型の超音速・極超音速エンジン、ガスタービン、また液体ロケットエンジンなどの流れと熱に関する基礎研究を中心テーマとして、実験的研究、数値解析、理論解析を幅広く行っている。これにより流れ現象の詳細や不安定現象の発生機構、流体現象とエンジン性能との関係などを本質的に解明し、設計に寄与する基礎的知見を獲得する活動を行っている。
現在 以下のような研究テーマに取り組んでいる。
・翼列フラッター
・非定常空力現象
・空力音響
・スクラムジェットエンジン
・気液二相流れ
・生体内部流れ
これらの研究の応用・実用化に関心のある企業との連携を希望する。
事業化プロポーザル
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航空機推進系・システム動力の電動化度向上に関する研究この研究室では、航空用エンジンの環境適合性向上に資する技術を、新規システム技術の創出・要素技術高度化の視点で研究している。本研究テーマでは、航空機の環境負荷低減、整備性向上の視点で進展する電動化において特にシステム動力源と推進動力機構の電動化に着目し概念検討と要素実証を行っている。航空機の新規システム技術は、地上用輸送機器における適用技術を採用出来ることもあるが、特殊な技術要件や信頼性要求が必要になることが多い。
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生体内部流の現象を応用した振動流による熱・物質輸送促進に関する研究この研究室では、ジェットエンジン、ターボ機械等の機器内部流れに加えて、生体の内部流れに関する研究を行なっている。流れ解析のための各種実験装置を備えるとともに、充実した計算機環境を利用した数値流体解析が可能で、多くの研究実績を有している。 鳥類の肺気道内の流れは、動脈血と対向した一方向流れとなっており、ガス交換の効率は非常に高い。この点に注目して、肺気道流れのモデル化と実験的な解析を行うことにより、振動流から一方向流れが発生するメカニズムを解明した。更にこの原理を応用し、従来のヒートパイプより効率的な熱輸送デバイスが実現可能であることを見出している。これは、LSI素子の小型冷却デバイスや医療機器等への応用の可能性が高い知見である。また、昆虫の呼吸にヒントを得たバルブレスポンプの研究も行っており、マイクロデバイスの冷却等への応用を検討している。
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気液二相流の熱流動解析ロケットエンジン、ジェットエンジン等の研究を行っているこの研究室では、これら機械内部での流体解析に必要な実験施設、装置を豊富に有するとともに、充実した計算機環境を利用した数値流体解析が可能で、多くの研究実績を有している。これらをもとに、液体ロケットの燃料タンク内部での液の挙動や、液体の圧送を行う装置内部での液の挙動等、気液二相流が関係する広範な現象の解析が可能である。特に気液界面の捕捉に優れた解析手法(CIP-LSM)を開発しており、これまで多くの成果を上げている。
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空力騒音の低減この研究室では、流体機械が発生する騒音に関して解析に必要な実験施設、装置を豊富に有するとともに、充実した計算機環境を利用した数値流体解析が可能で、多くの研究実績を有している。これらをもとに、ジェットエンジンの噴流騒音・ファン騒音をはじめ、車輌空力騒音、エアコン等家電機器に用いるファンによる騒音等の解析、低減策の提案、対策効果の評価等に対して協力が可能である。具体的な低減策として、ジェット噴流に微小な噴流を重畳するマイクロジェット低減法、ファン騒音を効果的に吸音するライナーなどの空力音響学的なメカニズムについて、基礎的な研究成果を有している。
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流体機械内部の不安定流れ現象の解析ジェットエンジン、ターボ機械等の研究を行っているこの研究室では、これら機器内部で起きる高速流の解析に必要な実験施設、装置を豊富に有するとともに、充実した計算機環境を利用した数値流体解析が可能で、多くの研究実績を有している。これらをもとに、ジェットエンジン、ターボ機械等流体機械内部で起きる不安定流れ、それに伴う異常振動等に関しての解析が可能である。
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流体機械内部不安定流れ現象のアクティブコントロールジェットエンジン、ターボ機械等の研究を行っているこの研究室では、これら機器内部で起きる高速流の解析に必要な実験施設、装置を豊富に有するとともに、充実した計算機環境を利用した数値流体解析が可能で、多くの研究実績を有している。これらをもとに、流体機械内部で起きる不安定流れに基づくフラッター現象の抑制に関して研究を進め、スマート構造(形状記憶合金、ピエゾ素子応用)を動翼(または静止翼)に採用したアクティブコントロールの研究をすすめ、その効果をシミュレーション及び実験により確認している。また、旋回失速の問題についてもアクティブに空気流を追加することによりコントロール可能であることを確認している。