エクソンを機能性単位とする組換え蛋白質の創製と新規機能性の探索
若杉 桂輔大学院総合文化研究科 附属教養教育高度化機構
真核生物の遺伝子では、翻訳されるDNA塩基配列(エクソン)は、翻訳されない塩基配列(イントロン)によって分断されている。このエクソンは蛋白質の機能単位に対応しており、イントロンを「のりしろ」とするエクソンの組み換え(エクソン・シャッフリング)により、蛋白質が進化したとの仮説がある。また、立体構造解析から、蛋白質は連続した10~40残基前後のアミノ酸残基からなる構造単位(モジュール)から構成されており、エクソンは、このモジュールに対応していることが提唱されている。 この研究室では、このような蛋白質のモジュール・シャッフリング仮説に着目し、新規蛋白質の創製と機能解析を研究している。即ち、エクソン遺伝子の組合せを設計し、大腸菌や酵母菌で発現させて様々なモジュール置換蛋白質を作製すると共に、この置換蛋白質の構造及び機能を解析している。現在、細胞増殖、分化、細胞死などを人工的に制御にする新規蛋白質の創製を目指している。