斎藤 幸恵大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻
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研究会
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籾殻に含まれるシリカを結晶化させない燃焼法 籾殻の約2割は無機成分から成り、その大部分が非晶のシリカ(SiO2・nH2O)である。籾殻を燃焼するとシリカは、その他の微量に含まれる無機成分の共融点効果により、比較的低温で結晶化する。結晶性のシリカは、植物に吸収されないばかりでなく、人体に大量に作用すると肺の障害を引き起こすことが知られている (WHO1997) 。 籾殻に含まれているシリカは元来は非晶である。これを結晶化させないように燃焼できれば、副産物として大量に排出されるシリカ灰を、イネ科植物の生長に欠かせないケイ素肥料として活用したり、人造シリカに比べて粒子サイズが小さい利点を生かした工業原料として利活用することが可能である。 本研究では、燃焼の温度帯や冷却過程をコントロールすることで、シリカの結晶化を防ぐことに成功した。冷凍食品の製造などでは、食品に含まれる水分が大きな氷の結晶に成長すると組織構造を傷つけ風味を損ねるので、結晶を成長させないよう急速に冷却するとよいことが知られている。一般に鉱物でも知られているこの現象を、籾殻の燃焼に適用して、生じたシリカ灰を急速に冷却すると結晶化を防げることを明らかにした。さらに、温度・時間(冷却速度)条件を系統的に明らかにし、籾殻シリカの結晶相図を作製した。この図上に熱処理・冷却過程をマッピングすることで結晶化の可否を予測する方法を提案する。
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