好中球を介した腎がん肺転移メカニズムの解明
宮園 浩平大学院医学系研究科 病因・病理学専攻
進行した腎がんでは、腎がん細胞は腫瘍内在性炎症を引き起こして好中球を活性化し、好中球の助けを得て肺に転移することが明らかになった。 腫瘍内在性炎症のメカニズムとして、スーパーエンハンサー形成などのエピゲノム制御機構によって、ケモカインが強力につくられていることが一因となることを見出した。 BET 阻害剤によりスーパーエンハンサーの活性を減弱させることで、腎がん細胞の肺転移が抑制されたことから、この薬剤が腎がんの新たな分子標的治療薬として期待される。