脳科学に基づくテーラーメイド教育およびテーラーメイド医療
酒井 邦嘉大学院総合文化研究科 広域科学専攻
当研究室ではfMRI(機能的磁気共鳴映像法)などの最先端の手法を用いた脳研究を進めており、世界に先駆けて英語力等の個人差の要因を特定することに成功している。最適な教育方法を選択するためには、各学習者の到達度を脳の働きとして客観的かつ直接的に評価することが役立つと考えられ、このようなテーラーメイドの教育評価法を開発・確立したい。また、医療分野での言語障害等においても、同様なテーラーメイドのリハビリ・プログラムと機能改善の評価法が有用である。 一方、電子書籍や電子教科書(電子黒板)、電子カルテ等の導入によって、教育環境や医療現場は大きく変わろうとしている。しかし、従来の「紙の本」や「紙のカルテ」には、電子化した時に失われる情報や記憶の手がかりが存在する【『脳を創る読書-なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』(実業之日本社)参照】。従って、そうした媒体の違いによる脳の情報受容について、正しく評価することが求められている。 そこで、当研究室における基礎的な脳研究を通じて、テーラーメイドの評価法について研究指導が可能と考えるので、興味を持たれる研究者・技術者との共同研究を希望する。