計算機と切削加工機による木工継手・仕口の設計・製作のためのインタラクティブシステム
五十嵐 健夫大学院情報理工学系研究科 創造情報学専攻
釘を使わずに木材を接合する「継手・仕口」は日本の伝統的な工法であり、建築物や家具の製作に使用されている。伝統的な継手・仕口は美的外観、高品質、および加工性などの点において高く評価されているが、美的要件と機能的要件を満たす必要があるため、設計が非常に困難で、手作業の制作は熟練者にとっても手間がかかる。 この解決策として、本研究室では「継手・仕口」を設計・製作するためのインタラクティブシステムを新たに開発した。本システムは、計算機と切削加工機を用い、カスタムメイドの木工接合部のデザインと製作を容易にするものである。 まずユーザは接合部の加工性、組み立て可能性、強度など性能に関するリアルタイムフィードバックを受け取りながら、接合部を設計する。そして角を丸めるなどの処理をして、計算機制御の切削加工機により接合部を完成させる。このシステムにより、基本的なデジタル製造ツールにアクセスできる人なら誰でも、継手や仕口に関する専門的な知識がなくても、洗練された木製の接合部を作成することが可能となる。 なお、本システムの詳細については、関連情報に掲載のプレスリリース(PDF)をご覧いただきたい。