ICT時代にふさわしい効率的広告配信システムの構築について 阿部 誠大学院経済学研究科 マネジメント専攻 インターネットや地上・衛星デジタルテレビなどのメディアでは、所望の広告内容を広告主の希望にあった対象毎に絞ってきめ細かくかつ市場原理に基づいて配信を行うことが可能になる(たとえば車種Aの広告は若い女性向け、車種Bのそれは熟年層向けなど)。
生体・食品の高品位長期保存を対象とした凍結・凍結乾燥に関する研究 白樫 了生産技術研究所 機械・生体系部門 生体や食品を必要に応じて利用するためには需要と供給のバランスをとるため、貯蔵することが不可欠であり、そのための高品位な凍結・凍結乾燥技術は実用的に非常に重要なものである。生体や食品は、水分を多く含み、常温で劣化し易い性質を持つことから、その保存には水の凝固(凍結)やガラス化といった相の変化や、分子運動の程度(活性)を測定・制御することが重要である。 凍結に関しては、冷却速度や生体内の溶質濃度を考慮した細胞内外の凍結現象の解析や、氷結晶の粗大化を抑止したり監視する技術の開発を行ってきた。また、特に医療用生体の乾燥保存を目的として、生体内の水分子の運動の緩和現象を測定する手法を開発し、結合水の定量測定をすることで水分子のダイナミクスが保護効果に及ばす影響を調べている。現在は、養殖用魚卵の保存、医療用検体やプロテインチップの乾燥保存に取り組んでいる(詳細については、下記研究室HPを参照のこと)。
防災シミュレーション 古田 一雄大学院工学系研究科 附属レジリエンス工学研究センター 自然災害や設備災害などの被害を最小にとどめるためには、政府、自治体、警察、消防、住民など多くの関係主体との円滑なコミュニケーションと連携を可能にする平時における防災体制の整備と防災訓練が不可欠である。この研究室では防災体制を効率よく構築するための防災組織、体制のシミュレーションの研究を行っている。災害事象の物理現象ばかりでなく緊急時における人間・組織の行動を予測・評価し、緊急時防災の社会制度を設計するため分散マルチエージェント・シミュレーション技術を用いた緊急時人間行動シミュレータを開発している。 キーワード:危機管理/災害対策/防災体制/組織活動/マルチエージェント・シミュレーション
ヒューマンシステム・シミュレーション 古田 一雄大学院工学系研究科 附属レジリエンス工学研究センター この研究室では、個人、集団、社会のさまざまなレベルにおける人間の認知行動をモデル化し、コンピュータシミュレーションを行うことによって、人間を含む工学システム、社会システム、経済システムなどの評価とデザインを行う技術を開発している。これは認知心理学的知見のみならず、現実環境における人間行動を観察、分析することによって得られる「現場の知識」を反映した人間行動のモデリングを行うものであり、この技術を、プロセスプラントの運転制御室、航空管制・航空機運用プラン、地域防災計画、安全規制や不良品回収などの社会制度など、広範なシステムを対象とする設計評価に適用し、有効性を確認している。 キーワード:シミュレーション/ヒューマンモデリング/プロセスプラント/航空管制/航空機運用/防災/制度設計/社会デザイン
折紙を用いたポータブル建築空間 舘 知宏大学院総合文化研究科 広域科学専攻 折紙の折り畳みを応用した,ポータブルでアダプティブに変形する建築デザインの提案を行っている。折紙の建築スケールでの実現において重要な問題点の一つに,紙で作ると一見動くように見えても,厚みのあるパネルと回転ヒンジで実現すると,機構が成立せず,パネルに歪みが発生し致命的になる,という問題がある。この問題を厳密に考え,拘束された機構を解く「剛体折紙」の研究を行っている。折りによる拘束が特異となるようなパターンを探索することで連続的な変形メカニズムを保証したり,全体変形を脚部位置のみでコントロールするための,計算機を用いたインタラクティブなデザインおよびシミュレーション技術を開発している。(Rigid Origami Simulator,Freeform Origami,http://www.tsg.ne.jp/TT/software/で公開)
構造材料の強度・物性評価のためのマルチスケールシミュレーション 梅野 宜崇生産技術研究所 附属革新的シミュレーション研究センター この研究室では、密度汎関数法による第一原理計算(DFT)、分子動力学計算(MD)、擬連続体計算(QC)、フェーズフィールド法、有限要素法などのシミュレーションを用いて、ナノ・マイクロスケールの強度・物性問題の解明、ならびにマクロまでつながるマルチスケールシミュレーションに取り組んでいる。半導体・金属・酸化物・ポリマーの変形および破壊のシミュレーション、燃料電池電極材料の反応シミュレーション、金属-潤滑油系の潤滑シミュレーションなどを行っている。ナノ・マイクロスケールにおけるこうした現象の解明が実験では困難な場合でもシミュレーションで推定でき、また、実測とよく一致する結果が得られている。
サービス共創 古田 一雄大学院工学系研究科 附属レジリエンス工学研究センター 人間のチームが協調することによって高度なサービスを提供したり、新たなアイデアを提案したりすることが、イノベーションにとって重要となっている。そこでこの研究室では、チームの協調行動についての基本原理を解明するとともに、円滑な協調やアイデア創出を支援する技術について研究している。チーム協調の基本原理については相互信念モデルを提案して、チーム・パフォーマンスの評価手法やチーム協調を促進する訓練手法などを開発し、航空管制、プラント運転などの業務に適用した。また、チームによる合意形成を支援する技術として、参加者の立場を可視化しながら議論を進める機能や、会議録の自動要約機能を備えた電子会議システムなどを開発した。 キーワード:チーム協調/チーム・パフォーマンス/合意形成/電子会議
地理空間情報の処理技術に関する実習教材の共同開発 小口 高空間情報科学研究センター 空間情報解析研究部門 地理空間情報を地理情報システム(GIS)を用いて解析し、自然環境や社会環境の特徴を検討することが、産官学の多様な場で行われている。その成果は、自然環境保護や防災計画策定などに活用されている。この種の内容は高校の地理の教科書などでも取り上げられており、今後の人材育成が期待されている。しかし、高校生や大学生がこの種の情報処理技術を学ぶ機会は少なく、とくにデータ例を含む実習教材の整備が遅れている。とりわけ自然環境データ(地形など)に関する教材が不足している。
ナノプローブを用いた電子デバイスの解析・診断 高橋 琢二生産技術研究所 情報・エレクトロニクス系部門 ナノプローブを用いて微細構造の幾何学的形状情報ばかりではなく物性的情報(電気的、光学的情報等)を得るための研究を進めている。特長は、ナノプローブの持つ高い空間分解能を生かして、形状情報と同時に各種物性的情報を検知できることにあり、非破壊での評価、大気圧中での評価も可能である。これらの研究を応用して、LSI等、微細構造を有する電子デバイスに関する不良解析・診断技術の開発および装置の開発を行いたい。 磁気力顕微鏡(MFM)を用いて電流誘起磁場を観測する研究において、サブmm幅の微細金属電流路に1mA程度以下の電流を流したときの表面形状像、磁気力信号の振幅、位相成分の観測を通じて、磁気力信号強度と電流値との間によい比例関係があること、位相情報を利用して電流の向きを同定できること、などを確認している。また、カーボンナノチューブをチャネルとする電界効果トランジスタに同様の手法を適用している。図(a)、(b)は、それぞれ、ナノチューブチャネル周囲で観測した形状像と磁気力信号像であり、ナノチューブ近傍での磁気力信号の明瞭な変化が捉えられている。また、図(c)は、様々なバイアス条件に対する磁気力信号強度の依存性であり、トランジスタの電流-電圧特性に相当する。このように、個別ナノチューブチャネルにおける閾値電圧や伝達コンダクタンス特性などの解析が可能である。さらに、ネットワーク状のナノチューブチャネルの中から主たる電流経路の同定にも成功している。
地下深部の温度構造、地表面温度環境の変動の解明 山野 誠地震研究所 附属地震予知研究センター 地下の温度構造は、地震・火山活動、地殻変動などの諸現象の解明や、石油・ガス、メタンハイドレート、地熱などの資源開発において、欠かせない情報である。地下深部の温度は直接測定できないため、地表面で観測される熱流量(地下から流出する熱の量)に基づいて推定することが必要である。 この研究室では、主に海域における熱流量測定を行っており、水深7,000mに至る深海底で熱流量を測定する機器や、得られたデータを解析する手法の開発研究を進めてきた。さらに、その測定結果や他の地球物理データを用いて、日本列島などのプレート沈み込み帯の地下温度構造を推定している。