空間ビッグデータの解析手法
貞廣 幸雄大学院情報学環
近年、交通系ICカードや各種ポイントカード、GPS搭載端末などの普及により、人間の移動や購買に関する極めて詳細な空間ビッグデータの蓄積が進行している。この種のデータには、行為の行われた場所や時間に関する位置情報が含まれており、そこから有用な情報を抽出することで、様々な公共政策やビジネスに役立つものと期待されている。 しかし従来の統計学等には、位置情報という新たなカテゴリのデータを明示的に考慮する手法が十分に整備されておらず、新たな解析手法の開発が求められている。当研究室では、空間ビッグデータの解析と利活用を通じて、様々な時空間現象からの法則性の発見と原因の追求、社会的課題の解決支援やビジネス分野への応用を目指している。例えば、 ・移動中のSNS利用がその後の行動に与える影響 ・列車の遅延・事故発生時の乗客行動 ・移動・購買履歴に基づく詳細な商圏変動の推定 ・帰宅途上と休日の買い物行動の差異 ・気候条件が屋内・屋外施設利用に与える影響 などの課題が有り得る。